メーカー訪問記 アキュフェーズ(株)

弊社として2018年5月に取り扱いを開始したアキュフェーズブランドですが、早いもので4年目に突入します。
取り扱い当初は不安もありましたが、多くのお客様にご販売をさせていただくことができました。
改めましてお客様、そしてアキュフェーズ関係者様にはこの場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。

さて新型コロナウィルスの影響で自粛しておりましたが、新しい倉庫を隣の敷地に立て、またその一部に試聴室を作られたということでご訪問をさせていただきました。

アキュフェーズ(株)は東急田園都市線のたまプラーザ駅から歩いて10分弱。坂道を上り、それから下り坂。広い公園を左側に見ながら少し歩くと右側に現れます。向いには幼稚園があり、住宅街の一角になります。
以前は社屋の隣に民間の駐車場がありましたが、そこを買取して倉庫を建てております。以前は別の場所に倉庫があったそうですが、非常に便利になったそうです。

アキュフェーズ(株)は自社内で完結することができる日本でも有数な企業です。1Fには営業部と部品のチェックをするエリア。2Fでは技術スタッフが商品開発を行っております。3Fでは製品の組み立てと検査、梱包作業を行っております。
そして新社屋4Fにはサービスがあり修理を行っております。
各パーツは提携のところに製造を依頼しておりますが、最終的な組み立ては全て社内で行っており、日本出荷分だけではなく、海外出荷分もこの工場で組み立てられております。

生産ラインが決まっており、一日作る生産量も決まっております。いつどのモデルを作るかというのも明確に決まっておりますので、製品が品切れになった場合などはお待ちいただくケースもあります。今人気のC-3900に関しては次回の生産が11月を予定しておりますが、既に在庫が切れておりますのでそこまでお待ちいただくことになります。

まずは先に倉庫と試聴室を見学させてもらいました。

広大なスペースに在庫と出荷待ちの商品が積み上げられておりました。
国内だけではなく輸出モデルも収められております。
当店の場合は営業担当の小串氏がお店まで納品してくれます。
ここから直接商品が来るかと思うと安心感も出てきます。

倉庫の一角にカタログが用意されておりました。営業がいつでも持ち出すことができますので、非常に効率的です。

その倉庫の3Fに新試聴室があります。

日本音響エンジニアリングが施工したオーディオルームになります。比較的デッドではありますが、機器の特徴が解りやすい音作りになっております。スピーカーはFYNE AUDIO。機材は右の壁にずらっと並べられておりました。

今回は新製品のCD PLAYERのDP-450と旧製品のDP-430を比較させてもらいました。非常に素晴らしい進化を感じました。参考までにDP-750も試聴させていただきました。クオリティはさておいて個人的にはDP-450には音楽的な表現力が加わっていると思います。
今回ご対応いただいたのは技術部の猪熊氏と製品企画部長の大貫氏、広報宣伝部の都留氏、そして弊社の営業担当でもある国内営業部部長の小串氏になります。

私個人的な感想なのですが、最近アキュフェーズの音が良い意味で変わっており、音楽的な表現力が上がっているように感じております。そこで猪熊氏にお話を聞くとあくまでもクオリティを上げた結果が今の音を作りだしていると語ります。
アキュフェーズには他社のようなカリスマ的なエンジニアが仕切っている訳ではなく、チームで作り上げております。
その出来上がったものを社内で試聴し、意見交換しながら製品が生まれます。製品はデザインなどを司る機構設計。
そして機器内部を司る技術チーム。それが融合されております。
私自身最近驚いた製品としてイコライザーのDG-68を上げます。もちろん好き嫌いはありますが、個人的にイコライジングしていない状況でもプリとパワーの間に入れると音楽的な色艶が出て非常に好印象です。実際フラッグシップモデルのC-3900A-250の間で実験しておりますし、お客様宅でも同じ印象を持ちました。
そういうこともあり今アキュフェーズさんのデジタル系が非常に熱いと感じております。デバイスだけに頼っているのではなく、やはり色々な面から努力をしているように感じます。話をお伺いすると30代の若いエンジニアも多く、ベテランスタッフのノウハウと若い発想力がうまく融合しているのではないかと猪熊氏は語ります。ただ強調して話をしていたのは路線の変更ではないということ。あくまでもアキュフェーズが求めているサウンドがベースにあり、S/Nなどを良くした結果そういう表現力になったと話します。

大貫氏は弊社のイベントでもお話をしてくれる方ですが、特にイコライザーのDGシリーズの監修をされている方ですが、
猪熊氏と同様な意見を述べられておりました。ただ昔と比べるとそういう風に感じてしまう部分はあります。ただスピーカーの進化とともに気づかなかった点なども感じるようになり、時代に合わせた部分もあるとお話いただけました。
モデルによっては設計者の個性が若干出ることもあり、それも弊社の特徴であるということも語っていただけました。

3年間で数えきれないほどの納品にお伺いをさせていただきました。我々が正直自慢できるのはエンドユーザーさんの生の声が聞けるといった点です。何故アキュフェーズさんをお選びになったかなど話をしていたらあっという間に1時間以上が過ぎてしまいました。

今回淡い期待で8月に発売される予定のトランスポートDP-1000とD/AコンバーターのDC-1000を試聴できるかと思いましたが、さすがにまだ試聴することはできませんでした。ただ今回のデジタル機器の進化を考えると本当に期待したいところです。 

猪熊さん、大貫さん。熱い話を有難うございました。

第二技術部 次長  猪熊 隆也 氏

取締役製品企画部長 大貫 昭則 氏


さてその後本社にお邪魔させていただきました。

1Fは接客スペースと営業スタッフがいるスペースで、2Fは技術部になり、日々新しい製品を生み出すべくエンジニアさん達が頑張っております。人数的には20人以上はいるのではないかと思います。
この技術部のスペースのひとつに試聴室があります。
3年前お伺いした時からかなり手をいれた試聴室になっており、今回初公開になるそうです。
社内でプレゼンする時や商品の検証をするときに使用しているそうですが、ルームチューニングもしっかり施され音質の違いもしっかり聞き分けることができるようになっております。スピーカーはスタンダードなB&W 800D3。 高さ表現も非常に表現されておりました。。 私の4Fの試聴室との違いも勉強させてもらいました。

3Fが生産ラインになります。

私がお伺いした時にはプレーヤーの組み立てを行っておりました。それぞれ分業制になっておりますが、組み立てもさることながらチェック項目が非常に多く驚いております。傷はもちろんですが、ディスプレイの輝度、耐久テストなど。色の違う部屋で検査することで傷が発見しやすくなったり、ディスプレイのむらなどを細かくチェックすることができるそうです。
チェック項目で引っかかったパネルを見せてもらいましたが、私では解りませんでした。若干色にむらがあったようです。
働いているスタッフも責任重大であり、個人個人が責任を持って職務にあたっております。ここまで徹底しているのかと思うと製品に対しても愛情が沸いてきます。というよりも本当に作ってくれている方にお礼を述べたくなります。
ものづくり日本を支えている方達がいるから良い製品があると思うと本当に違う見方が出てきます。
この3年間で色々勉強させていただき改めて取り扱いを行って心より良かったということを感じております。

新社屋4Fは修理業務を行うスペースになります。アフター世界一と称されるほど古い機種まで修理をしてくれます。
このあたりもアキュフェーズが人気のある所以かもしれません。
今回は都合上拝見することができませんでしたが、以前お伺いした時にはベテランスタッフも多く愛情をもって修理している印象を持ちました。

今現在代表取締役社長は鈴木 雅臣氏になっており、創業者の齋藤重正氏は相談役として会社に出社されております。
代表の鈴木氏は今現在輸入オーディオ協議会の代表にもなっております。アキュフェーズも世代交代をしているイメージも持ちました。

最後に一つの社屋で完結しているからこそなしえることが多くあることを感じました。世界が誇る日本オーディオブランド「Accuphase」
今後ともオーディオ業界をけん引していただきたいと思っております。

是非今後とも良い製品を世に出してください。

お忙しい中ご対応いただき誠に有難うございました。

2021年6月14日 DYNAMIC ADUIO 島 健悟 

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