天ノ視点 -JoplinMK3-

皆様こんにちは。
梅雨の気持ちの良い晴れ間がのぞく秋葉原です。
でもまたすぐに雨が降る予報ですね。なかなか体調管理が難しいですね。

さて、本日ご紹介するのはこちら↓↓↓

M2TECH JoplinMK3 ¥280,000(別)
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イタリアはピサに拠点を構えるM2TECH。日本で有名になったきっかけは、D/DコンバーターのHIFACEではないでしょうか。データ再生が始まったころ、PCの音源をDACに入力する際、USB入力がまだまだDAC製品に完備されていることが少なく、S/PDIFに変換して出力をすることによって、既存のDACでデータ再生を楽しめるという事で、導入された方も少なくないはずです。

<デジタル世代のフォノイコ>
そんなM2TECHからJoplin(ジョップリン)の名前を聞き始めたのは、先代JoplinMK2の頃。アナログの人気が再熱されている中、アナログの音源をデータとして残しておきたいという事で、A/Dコンバートを行ってくれるデジタルDACという事で、アナログファンからご要望を頂きました。JoplinMK2を通して、PCにアプリケーションを入れ、デジタルで音源を保存する。常に状態が変わるアナログ盤の音源を普遍的な形で楽しみたいという方にとっては、とても面白い活用方法だったのではないでしょうか。
しかし、ここへきて、私のお客様からこんなご要望を頂くようになりました。
「せっかく気に入ったDACを買ったから、これを生かしてアナログを楽しみたい」
アナログにはアナログの良さが、デジタルにはデジタルの良さがあり、これらを完全に切り離したいという方は多いはず。しかし「音楽を聴く」という事において、デジタルもアナログも関係ないという考えの方が増えているように思います。最近のアナログの製品達は、デジタルで音楽を聴いている時と変わらないぐらいに明瞭度・解像度の高いサウンドを聴かせてくれます。その中で「アナログの良さ」や「アナログらしさ」をどれだけ感じさせてくれるかが重要になると思います。
有名なところでは、LINNのLP12内蔵型MCフォノイコライザーURIKAⅡ。ご存じの通り、LINNはEXAKTを使用した完全デジタル化を目指したシステムを推奨していて、その流れの中でアナログ音源もA/Dコンバートを用いて、デジタル領域でアナログ音源の最適化を図ろうというもの。この時世においては、こういった製品が出てくるのはある意味当然の流れのようにも思います。

上記のようにJoplinMK3の使用用途としては、大きく分けて二つ。デジタル音源をPC上で保存・編集する事。そして、お気に入りのDACを用いて、デジタルとしてアナログを楽しむ事です。
私個人的には、後者で楽しまれる方は、今後増えてくると思いますし、もしかすると、他のメーカーからも同様の製品が出てくるやもしれません。

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<JoplinMK3の面白いところ>
さて、JoplinMK3はデジタル出力が出来るという事だけではありません。以前のモデルから引き継いだ色々な機能にも注目です。
–細かなゲイン調整–
基本的にDACに接続をして楽しまれている方は、あまり使わない機能やもしれませんが、例えば、録音をする際に、機器側でボリュームの調整を行えるのはありがたい機能ではないでしょうか。CLIP率も変えることが出来る為、細かな調整で、最適なボリュームを楽しむことが出来ます。
<多彩なフォノカーブ>
現在はRIAAが世界統一規格のようになっていますが、昔のレコードは色々なイコライジングカーブが開発され、そのカーブで録音されたものをちゃんとした音源で楽しみたいと思ったら、そのカーブを使用しなくてはなりませんが、RIAA以外のカーブを使う事が出来るフォノイコは多くありません。最近の製品ではSoulnoteから出ているE-2はRoll OffやTurn Over、Low Limitを調整する機能があるため、自身で調整を行ってそれぞれのカーブを作ることが出来ます。こういった機能を付けると、製品の価格も上がりますし、ユーザーの手間もそれなりに掛かります。(機能として付いていること自体はとても嬉しいですが)
JoplinMK3に関しては、それぞれのカーブをプログラムされているというA/Dコンバート機の良さが生かされた機能と言えるのではないでしょうか。
<サンプリングレート・ビットレートの変更>
DACに応じて、サンプリングレートやビットレートを変えることが出来ます。
JoplinMK3では44.1kHz~384kHz・16bit~32bitまでの出力が可能です。接続するDACや録音状況に合わせてお選び頂けます。録音される際は、ファイルの大きさも考慮する必要があるやもしれません。

<サウンド>
肝心なサウンドに関してですが、接続するDACによって音も変わりますが、共通して感じたことは、それほどデジタルの香りは気にならない!ということ。4FにあるCHORD DAVEやMERIDIANのULTLA DAC、ESOTERIC D-02Xなどと接続をしてみましたが、それぞれ、まったく違和感なく聴くことが出来ました。もちろん、人によってはもっとアナログらしいサウンドが欲しいという方や、やっぱりアナログにデジタルを使いたくないという方もいらっしゃると思いますが、そういった方はこれまで同様に通常のフォノイコをご紹介させて頂きますので、どしどしお問合せ頂ければと思います。JoplinMK2の時にも試聴を行いましたが、印象としては、中低域の厚みが増したように感じます。アナログらしい厚みや深みがあり、聴きごたえがあります。もちろんDACの良さもしっかり感じる事が出来ました。私的に面白かったのは、TAD D1000MK2のデジタル入力を使用して再生した時の中域の厚み、心地よい押し出し感がボーカルものやAOR等にはまって気持ちよく聴くことが出来ました。

<最後に>
デジタルとアナログ。ストリーミングやハイレゾ等、どんどん音質や利便性が高まっていくデジタルに対して、今の技術だからこそできるアナログの面白さ。DS Audioの光カートリッジやアルミ等の鉱物加工技術を駆使した筐体を持つPLATANUS。LINNのEXAKT LP12…。上記のように、以前ほど、デジタルとアナログの境が無くなってきた今だからこそ、JoplinMK3のような製品が受け入れられるのだと思います。これからのアナログをもっともっと楽しくしてくれる架け橋となる製品のように感じました。

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